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毛皮の歴史

裸同然で暮らしていた我々人間の祖先が、寒さから身を守る為に狩猟動物の毛皮を、防寒衣料として用いたことが人間にとっての毛皮の歴史の始まりだと言われています。
それは同時に、人類の服装史の始まりを意味し、毛皮は最も歴史の古い衣服とされたのでした。
古代エジプトやローマ時代には毛皮は権力の象徴として、また中世では王侯貴族のステイタスシンボルとして毛皮は活用され、19世紀中ごろにはファッションとして大きく発展を遂げたのであります。

日本における毛皮の歴史

日本では古代に中国から毛皮が渡来したと言われています。資料として聖武天皇の時代、西暦730年に中国から貢物として黒テン(セーブル)があったという記録が残っています。
しかし欧米や中国北部のように防寒としての必要に迫られることもなく、動物の肉を食べるという文化もなかったことから、日本では毛皮をまとう習慣はなかなか定着しなかったようです。

日本の現代、毛皮ファッションとしての幕開けは昭和34年、皇太子ご成婚の際に美智子妃殿下が着用されたサファイアミンクとはいっても日本は洋服の歴史が浅く、気候風土からも毛皮は必需品ではなかったので毛皮は身分や地位をあらわすステイタスシンボルとしての意識がより強く、昭和45年頃までは敬遠されていたようです。
この頃は毛皮といえば衿巻きやショールが大半を占めていました。

しかしコートとしての毛皮が少しずつ一般の人々に浸透しはじめると、ようやくファッションアイテムとして気軽に扱えるという認識が生まれたようです。
さらにこの時期は日本経済の安定も追い風となったようで、この時期を境に一気に冬のファッション素材として定着し、今日に至っているのです。


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